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いいこと探検家の人生冒険ポジティブ日記

いいこと探検家の人生冒険ポジティブ日記

第5章 酸性雨



第5章 酸性雨が国境を越えた




■酸性雨の被害が急増



3000万人という世界最大の人口を抱える中国の重慶市は、
「霧の重慶」と呼ばれています。

鉄鋼、化学、軍需工場などが密集し、年間120日以上も霧に
覆われます。

この辺りで使われている石炭は質が悪くて硫黄分が大変多く、
それが燃えてできる汚染物質が酸性雨となったり酸性霧と
なったりしているのです。

そのために健康への被害が大きく、呼吸器疾患の死亡率は中国
平均の3倍に達しています。

このほか、特に途上国の大都市圏で、酸性雨が原因と見られる
健康被害が急増しています。

また酸性雨の影響で、世界中の森林が大規模に枯死したり、
湖が酸性化して、魚介類に著しい悪影響を及ぼしたりして
います。




◆日本でも酸性雨の被害が出ている



最近の観測結果を見ると、pH5以下の酸性雨が至るところで
降っています。

日本政府は、少し前までは「日本では酸性雨の具体的な被害は
まだない」と言っていました。

しかし、1997年になって、「日本にも欧米並みの酸性雨が
降っている。調査した88カ所のうち14カ所で樹木の立ち
枯れなどの植生の衰退が見られた」と被害が出ていることを
認めました。

また環境省は、「日本の湖沼も30年後には死の湖になるかも
知れない」と予測しています。

実際に、酸性雨による樹木や人体の被害がしばしば発生して
いるのです。




■酸性雨とは何か?



◆酸性雨



石炭や石油などの化石燃料に含まれる硫黄が燃えると、硫黄
酸化物(SOx:ソックス)が、また燃料中の窒素分や空気
中に79%含まれる窒素が燃えると、窒素酸化物(NOx:
ノックス)が発生します。

これらの硫黄酸化物や窒素酸化物が、上空のオゾンや水蒸気と
反応すると、それぞれ硫酸や硝酸の雨となって降ってきます。

これを「酸性雨」と言います。

そしてこの雨が酸性の雪となる場合を酸性雪、霧となって立ち
こめる場合を酸性霧と呼んでいます。


そのほかにも、「酸性降下物」などと言う表現もありますが、
ここでは単純に「酸性雨」と言うことにしたいと思います。


一般に、pHの値が5.6以下になった状態を酸性雨と呼んで
います。

これは、空気中の二酸化炭素が水に溶け込んだとき、pHが
ほぼ5.6になりますが、この値以下になると言うことは、
二酸化炭素以外の酸性物質が水に溶け込んでいることを意味
するからです。



◆pHについて



pH(ペーハー:最近このドイツ読みからピーエイチと英語読み
されることも多くなりました)は、水中に含まれる水素イオンの
濃度を表す指標です。

pHの値が7を中性、7未満を酸性、7を超える場合をアル
カリ性としています。

pHの値が「1」小さくなると、酸性の強さは10倍になり
ます。

同じように、pHの値が「1」大きくなると、アルカリ性の
強さが10倍になります。


たとえば、pH2はpH7に比べて10万倍(10の5乗)
も酸性が強いことになるのです。




◆酸性雪



酸性雨が雪となった状態を酸性雪といいます。

豪雪地帯などでは、雪融け期になると積もっていた雪から
大量の酸性物質が流れ出します。

このため河川や湖の酸性化が一気に進み、生態系に大きな
影響を及ぼすことがあります。



◆酸性霧



酸性物質が微粒子になって漂っている状態を「酸性霧」と
いいます。


酸性雨の場合は、葉についても後から降ってくる雨に洗い
流されてしまいます。

降り始めの雨よりも、後から降ってくる雨の方がかなり酸性
が弱くなるからです。

ところが酸性霧の場合は、pHが1~3もあって酸性雨より
も酸性が100倍以上も強く、しかも木の葉や土壌などに付着
します。

そして、そのまま洗い流されることなく長時間存在するので、
それだけ影響も大きくなるのです。


チェコに「クルコノシュ」という東欧最大の国立公園があり
ます。

そこの針葉樹林が、突如として将棋倒しのように全滅して
しまったのです。

何とか再生しようと努力したものの、土も酸性化して変質して
しまって、植林しても木が育たないのです。

その原因は酸性霧と言われています。



■酸性雨の影響



◆昔からある酸性雨の被害



実は、SOxやNOxによる被害は17世紀からすでに報告
されています。

イギリスでは、1661年に作家のジョン・イブリンが「石炭
から出る地獄のような陰気な煙がロンドンをおおっている」と
書いています。

また1772年に博物学者のギルバート・ホワイトが「庭の
果物も実らず、子どもの半数は2才以下で死んでいる」と
述べています。

そして、1952年に「ロンドンスモッグ事件」が発生しま
した。

12月5日からたったの4日あまりの間に、4000人もの
死者を出してしまったのです。

このときの酸性雨のpHは1.5で、レモンよりも酸っぱく
強烈なものでした。


報告書によると、通常に比べて気管支炎による死亡は8倍に、
肺炎による死亡は3倍に、他の呼吸器の病気によるものが5倍
に増えたそうです。

さらに「その後の2ヶ月間に8000人が死亡した」と報告
されています。

このほか、ベルギーで63人の死者を出した1930年の
ミューズ渓谷事件、20人が死亡した1948年のアメリカ
で起きたドノラ事件などが非常に有名です。

どちらも、近くの精錬所や硫酸工場から排出される硫黄酸化物
が原因と言われています。


日本でも19世紀末に、硫黄酸化物を含む酸性雨や酸性霧の
ために、足尾鉱山周辺で森林の立ち枯れが起こっています。

1960年代には、四日市、川崎、尼崎、北九州などで大気
汚染によるぜん息や気管支炎の被害が続出しました。


さらに1974年7月3日には北関東一円に降った霧雨で、
3万人以上の人が目や皮膚の刺激を訴えました。

この被害をきっかけに、日本でも酸性雨がクローズアップ
され、環境庁が関東地方で酸性雨の観測を始めたのです。



◆酸性雨の具体的影響



1.樹木の衰退



酸性雨の影響の第一は、「樹木の衰退」です。

特に、広葉樹よりも針葉樹に大きな被害が出ています。

裸子植物である針葉樹は、樹冠部や種子が酸性雨や酸性霧
に直接さらされるために傷つきやすいのです。

外から見ると正常な森林が、実は酸性雨や酸性霧によって
弱っていて、寒波や高温、雨不足などをきっかけに、突然、
樹木が広い範囲で立ち枯れしたり倒れたりしてしまうことが
あります。

この前兆として、キクイムシ(マツクイムシ)の被害が見ら
れることがあります。

しかし、「酸性雨によって抵抗力が低下している」という
本当の原因を無視して殺虫剤をまくと、よけいに木をダメ
にしてしまうことになります。



2.土壌の酸性化



酸性雨が降り続くと土壌が次第に酸性化して、土の中の
アルミニウムが溶け出してきます。

この状態のアルミニウムは有毒物質として働き、土壌中の
微生物を死滅させます。

また、樹木の養分であるカルシウムを奪って、枯死させて
しまいます。

さらにクロロフィル(葉緑素)を作る際に必要なマグネ
シウムを奪うことで、光合成を妨害してしまうのです。



3.湖沼水の酸性化



酸性雨は湖や沼の水を酸性にして、水生生物に重大な影響
を与えます。

湖水そのものが酸性化することによる直接の影響もあります
が、酸性化によって水底の土壌からアルミニウム、銅、カド
ミウム、鉛などの有害金属が溶け出し、水生生物が中毒死
してしまうことが多いのです。

そして一般に、酸性雨によって生物が死滅した湖沼は、溶け
出したアルミニウムが汚れたものを集めて沈める「凝集沈殿
作用」があるために透明度が高くなります。

一見、見事なほど透明な湖になりますが、生物の存在しない
「死の湖」なのです。


また、酸性雨に含まれる窒素酸化物が湖や沼、内海などの
停滞性水域に蓄積して、富栄養化による赤潮の原因にも
なっています。



4.人体への影響



酸性霧による気管支喘息や肺炎はもちろんですが、不治の
老人性痴呆症といわれるアルツハイマー病は、「酸性雨に
よって溶け出たアルミニウムが脳に蓄積されることが原因
ではないか」と言われています。

反論もありまだ確定しているわけではありませんが、用心
しておくに越したことはありません。

1960年には、北欧で髪が緑になるという事件が多発した
ことがあります。

調査の結果、酸性雨によって井戸水や水道水が酸性化した
ためということが判明しました。

水道管に使われていた銅が酸性化した水に溶け出し、その水
を飲んだり洗髪に使ったために、髪が緑色に染まってしまった
のです。



5.建造物や文化財への影響



一般に建造物や文化財は、酸に侵されやすい金属やカルシ
ウムでできています。

これらが酸性雨にさらされることにより、大理石が石コウ
化したり、雪国の「つらら」のような「酸性雨つらら」が
できたりするのです。

このほかにも、

「上野公園の西郷さんの像が変色してしまった」

「4600年前に建造されたスフィンクスがこの30年で
ボロボロになった」

「ロダンの考える人が溶けて涙を流しているように見える」

など、世界中から報告されています。


また、鉄道のレールがさび付いたり、橋げたのコンクリート
の一部が崩れているのをよく見かけるようになりました。

早急に点検し、大事故が起こらないうちに修復しておく必要
があります。



■酸性雨の原因



石炭や石油を燃やすと、硫黄酸化物が発生します。

また車を運転すると、窒素酸化物が排出されます。

これらが酸性雨の原因になっていることは明らかです。


しかし、これは大気汚染すなわち「公害問題」の原因にほか
なりません。

ここで問題にしているのは、酸性雨という「地球環境問題」の
はずです。


では、「公害問題」と「地球環境問題」はどのように違うの
でしょうか?


簡単に言えば、「公害問題」は、四日市とか尼崎とか水俣とか
狭い範囲つまり局地的な問題で、「地球環境問題」は国境を
越えた地球規模の問題です。




かつてイギリスは大変深刻な大気汚染に苦しんでいました。

このときの大気汚染は、局地的な「公害問題」でした。


その原因は、煙突が低かったので煙が工場の周辺にたちこめる
ためでした。

煙突を高くすると、上空の風に乗って煙が遠くまで運ばれる
ため、周辺の「公害問題」を防ぐことができます。


そこでイギリス政府は、1956年に「大気浄化法」を作り、
高層煙突の建設を推進したのです。

ところが、煙突の高層化が新たな問題を引き起こしました。


汚染物質が気流に乗ってより遠くに運ばれ、北欧のスカンジナ
ビア半島で「酸性雨」となって降り注いだのです。

つまり、被害が国境を越えてしまったのです。


このとき、局地的な「公害問題」がボーダレスの「地球環境
問題」へと変貌を遂げたのです。


その後、東欧諸国、ドイツ、フランスなどからも汚染物質が
気流に乗って風下に運ばれ、スカンジナビア半島に集中して
いることが分かりました。

ノルウェーなどスカンジナビア諸国の酸性雨は、ほかの国から
の汚染物質が大きな原因となっていたのです。

北アメリカでも、風向きの違いによって、アメリカで排出
されたSOxがカナダで、またカナダのSOxがアメリカで
酸性雨となって降り、両国間で責任を押しつけ合うという
問題がありました。

また、「中国で排出された汚染物質が酸性雨となって日本に
降っている」という報告も出されています。



以下、スマイルさんのコメントにお応えするために、9月11日
に書いた日記を再掲いたします。




ここまでは、「公害と地球環境問題は違うもの」として、
それぞれを区別して考えました。


「公害は局地的な問題で、地球環境問題は国境を越えた
地球規模の問題」、

また

「公害は被害者と加害者が特定できるが、地球環境問題は
特定できない」

などがその理由です。


常識的には、その通りだと思います。



しかし、「つながり」という視点から考えると、必ずしも
そうとは言い切れないのです。


最近私は、

「その区別そのものが地球環境問題を『他人ごと』と捉えて
しまう原因ではないのか」

と思うようになりました。



大気や水の循環や食物連鎖などを考えると、公害の影響は
地域にとどまることはあり得ません。

汚染物質などが、地域内の自然容量(環境容量や自浄能力)
を超えてしまうことで公害が発生してしまうのです。


ということは、自然容量をオーバーした分が地球全体に拡散
していくことになります。

これらが世界中で起これば、地球規模の問題へと拡大するの
は必然といえます。



また公害の原因は、直接的には工場からの廃水や排煙ですが、
その根本原因は

「消費者がその工場(会社)の商品を望む(買う)から」

です。



会社はニーズのないものは造りません。



やはり、公害も「被害者と加害者が特定できない」のです。



私には、「消費者が公害発生企業を断罪し、自らの責任を放棄
したことが地球環境問題を悪化させた大きな原因ではないか」と
思えるのです。


このような意味で、

「公害と地球環境問題は本質的には同じ」

と解釈する方が妥当ではないかと思うのですが、いかがで
しょうか?



■日本の酸性雨は中国が原因?



中国は、依然として高い経済成長を続けています。

それに伴って大気汚染が深刻化し、2003年の二酸化硫黄
排出量は2220万トン前後に達し、前年より290万トン
余り増えています。

酸性雨被害面積は国土の3分の1前後に達し、一部の地方では
酸性雨汚染が悪化しています。

この酸性雨が東シナ海を越えて、酸性雨となって日本に降り
注いでいることが確認されています。


しかし、「だから中国は、けしからん」というのは筋違いなの
です。

生産コストを少しでも下げようと、日本の工場が大挙して中国
に進出しました。

よく考えてみると、これは同時に公害源の海外輸出でもあります。


中国の公害規制の甘いことをいいことに、公害防止設備をきちん
と整備しなかったのです。

地元の工場も、当然のように公害防止対策を行いませんでした。


せめて日本国内程度の公害防止設備付きの工場を中国に建設
していたら、ここまで状況は悪化していなかったはずです。


いま、「そのツケが酸性雨として日本に帰ってきている」と
いう謙虚な態度が必要ではないでしょうか。




■酸性雨を止めても二酸化炭素は止まらない!




いま世界は13億人という莫大な中国市場に目を向けており、
中国政府も国内産業の工業化を進めています。

この影響で、中国では深刻な環境汚染(大気汚染)が広がって
います。

そこで、世界一といわれる日本の公害防止技術を駆使して、
中国の環境汚染を日中両国政府が共同で食い止めようとして
います。


確かに、日本の硫黄酸化物(SOx)を除去する技術は非常に
高いレベルにあります。

しかし排出ガスの成分はSOxだけではありません。

SOxよりはるかに大量の二酸化炭素がまったく処理されること
なく大気中に放出され続けているのです。


現在の公害防止装置は、石油や石灰中に0.1~数%含まれる
硫黄を除去するだけで精一杯です。

窒素酸化物(NOx)も充分に除去されているとはいえません。

まず、この事実を知ることが大切です。 


ところで、中国では現在年間30億トン近くの二酸化炭素が
排出されています。

これは世界の排出量である約250億トンの1割以上に相当
します。


中国のひとり当たりの国内総生産は日本の30分の1に過ぎない
のに、二酸化炭素の排出量は現在でもずいぶん多いのです。

しかも中国の二酸化炭素排出量はどんどん増え続けています。


つまりSOxだけでなく、二酸化炭素も同時に除去しない限り、
地球温暖化を加速して、

「異常気象の多発」

「森林の減少」

「砂漠化」

「洪水による大災害の増加」

などが起こることは避けられないのです。


日本の環境技術が高いことを証明するには、

「低コストで酸性雨と同時に二酸化炭素を完全に取り除く技術」

を開発しなければならないのです。

ここに日本の企業が世界に大きく貢献できる可能性があるので
はないでしょうか。



■酸性雨が温暖化を加速する



次の記事をご覧ください。



◆二酸化炭素増加で酸性化、貝やサンゴが溶ける


大気中の二酸化炭素がこのまま増えると海水が酸性化し、100年
以内に南極海や北太平洋で貝類の殻やサンゴが溶け出すことが、
日米欧豪の国際研究チームの予測で分かった。

殻を持つプランクトン(翼足類)が激減し、魚類やクジラが餌を
失う可能性もあるという。

二酸化炭素の増加は地球温暖化だけでなく、海の生態系に深刻な
影響を与える恐れを示す結果で、9月29日付の英科学誌ネイチャー
に発表した。

現在の海水はpH(水素イオン濃度)が8程度の弱アルカリ性。

大気中に放出される二酸化炭素の3分の1は海水に溶け込む。

濃度が上昇すると、溶け込む量が増えPHが下がり、炭酸カルシ
ウムを主成分とする貝殻やサンゴが溶けやすくなる。

研究チームは、これまでと同様の経済活動が続き毎年1%ずつ
大気中の二酸化炭素濃度が上昇するとの予測をもとに、地球全体
の海洋のpHの変化をコンピューターで計算した。

その結果、大気中の二酸化炭素濃度が600ppmを超えるとpHが
0.2~0.3下がり、翼足類の殻やサンゴが溶け出すことが
分かった。

現在の大気中の二酸化炭素濃度は約370ppmで、予測によると
2060年ごろに600ppmに達する。

影響は海水温の低い海域から出始め、南極海で翼足類の殻や冷たい
海域にすむサンゴが溶け、その後、北太平洋にも影響が出る。

さらに、計算で予測された2100年の海水を人工的に作り、代表的
な翼足類のウキビシガイを飼育したところ、48時間で殻が溶け
出した。


以上、本年9月29日付け「毎日新聞ニュース速報」より抜粋




確かにその通りだと思いますが、私は「酸性雨の方が、二酸化炭素
による酸性化よりも影響が遙かに速くて大きい」と思います。

中国の桂林、雲南省の石林、イギリスのドーバー海峡のホワイト
クリフ、そして各地に広がる珊瑚礁は、巨大な炭酸カルシウムの層
でできています。

この層に酸性雨が降り注ぐと、炭酸カルシウムが分解して膨大な
量の二酸化炭素が発生するかもしれません。

そしてそれが「海洋の酸性化に拍車をかける」という悪循環に入る
可能性があります。

また、酸性雨による森林破壊のために二酸化炭素の吸収源が減少し、
海洋の酸性化を加速することも考えられます。

私個人の意見ですが、2060年よりもっと早い時期に生態系への
影響が顕著になると思っています。

温暖化のことだけしか頭にないと、こんな当たり前のことを見逃して
しまいます。地球環境問題は「すべてつながっている(関連しあって
いる)」という観点を持ち続けることが必要です。


なお、温暖化と酸性雨の関係については、

この日記



この日記

を参照してください。




■私たちにできること



現在も煙突の高層化によってSOxは国境を越えて広がっており、
NOxも相変わらず自動車から排出され続けています。

これは工場が悪いのでしょうか?

車そのものが悪いのでしょうか?

脱硫装置を完備したり、車にNOxの除去装置をつけるだけでは
本質的な解決にはなりません。

濃度は薄くなっても工場や車が増えて、排出量そのものが多くなれ
ば、汚染物資は減るどころか増えることになります。

酸性雨や酸性霧の大きな原因のひとつは、火力発電所だと言われて
います。
電気の消費を減らすことで、酸性雨も防止できるのです。

車を止めているときは必ずエンジンを止めておく(アイドリング
ストップ)ことも大切です。

ヨーロッパでは、赤信号の時でもエンジンを止める人が多いそう
です。

どうしても車に乗る必要がある場合は、低公害車を使うのも良いで
しょう。

都市政策では、

「町中への車の乗り入れ禁止」

「マイカー通勤の禁止」

などもヨーロッパの都市で行われています。




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